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たまにの暮らし‐tamany‐

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論語

論語7

山田勝美『全釈論語』、貝塚茂樹『論語』、加地伸行『論語増補版』に準拠。感想は私的解釈。

為政篇3

〈通釈〉

先生が言われた。行政を法制のみに依ったり、治安に刑罰のみを用いたりするようでは、民はその法制や刑罰に引っかかりさえしなければ何をしても大丈夫だとして、そのように振舞ってなんの恥ずるところもない。しかし、その逆に行政を道徳に基づき、治安に世の規範を第一とすれば、心から不善を恥じて正しくなる。

〈感想〉

人間というものは、自然的態度では絶えず自己や自分の集団の利益を追求する生物である。何のルールもなしで野放しにしておくならば、ホッブズが提議したように万人の万人に対する闘争になってしまうだろう。つまり、各々が己の利益を求めようとして行動する。その結果、他者の利益を侵害することも厭わないだろう。しかし、この状態が恒常的に続いたならば、人間という種自体が自滅するという不利益を被ることになってしまう。これは避けなればならない。 “論語7”続きを読む

論語6

山田勝美『全釈論語』、貝塚茂樹『論語』、加地伸行『論語増補版』に準拠。感想は私的解釈。

學而篇16

〈通釈〉

先生が言われた。「人が自分を認めてくれないのは一向に気にならないが、自分が人を理解していないのではないかと心配だ」。

〈要旨〉

孔子が対人関係において常に謙虚であろうと努力したこと、孔子の控えめな心持をよく示している。

〈感想〉

貝塚茂樹『論語』によると、「孔子の弟子には学問によって認められ、立身出世しよという人間が多かった」(P, 28)という。そんな弟子たちに向けられた言葉だと言えるでしょう。 “論語6”続きを読む

論語5

通訳部分、要旨は山田勝美『全釈論語』に準拠。感想は私的解釈。

學而篇15

〈通訳〉

子貢の言葉、「貧乏でも人に対してへつらわず、富んでも人におごらない人は(本当に尊敬すべき人だと思いますが)いかがでしょう」。先生が答えられた。「まずかなりの人物だろうな。だが、貧乏の中でも道を楽しみ、富んでもなお礼を心から愛する人には、まだまだ及ばないね」。すると子貢が言った。「詩経に『骨や角をまず刃物で切って、それから更に磨きをかけるように(*切磋琢磨)』とありますが、あれはこのこと(修養には限りがない)ということを言っているのですね」。先生が言われた。「賜よ、それでこそ共に詩経を語る資格があるのだ。打てば響く、とは全くお前のことだよ」。
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論語4

通訳部分、要旨は山田勝美『全釈論語』に準拠。感想は私的解釈。

學而篇12

〈通訳〉

有先生のお言葉、「礼を運用するに当たっては、和ということが肝心である。先王の政治も、人の和が保たれたからこそ理想とされるのである。小事でも大事でも全て礼に従って行おうとすると(厳しすぎて)上手くいかない事が起こってくる。また、和の大切なことを知って、いくら相和していこうとしても、礼で折り目をつかなければ、これまた(だらしなくなって)上手くいかないものである。」

〈要旨〉

伝統的な制度や習慣をいかに運用すべきかについての論。

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論語3

通訳部分、要旨は山田勝美『全釈論語』に準拠。感想は私的解釈。

學而篇8

〈通訳〉

先生が言われた。「人の上に立つ者は、慎重に振舞わなければ威厳がなくなる。学問をすれば(視野が広くなり)偏った判断をしなくなる。誠実と信義を大切にしなさい。自分よりも劣った人と交わって(いい気になって)はならない。過失を犯したらぐずぐずしないで、すぐに改めることだ」

〈要旨〉

上に立つ人の心がけ。 “論語3”続きを読む

論語

『論語』は、孔子とその高弟たちの学問集団の活動・発言などを記録し纏め上げた20巻からなる書物です。

『論語』は孔子の生前に出来上がったものではありません。『論語』は孔子の死後約100年程経った頃に、孔子を中心とした学問集団の後継者たちによって書物が集積され、編纂されたものと言われています。内容は孔子の言動、孔子と弟子たちとの問答などの記録です。

この様な宗教的や哲学的指導者の言行録が正典として成立していく過程は世界的に見ても共通するところがあります。キリスト教の新約聖書、仏教の仏典、ソクラテスの対話編なども同じような過程を経て、それぞれは正典化していきました。

孔子の活動・学問の目的は、夏・殷・周の伝統を体系立てて纏め上げることで、それを基盤として、新しい人類の理想、つまり「仁」を見出し、「仁」を現実の社会で実践、また実現することにありました。 “論語”続きを読む

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