皆さんは、怒りで悩まされたことはありますか?
私は怒りやすいタイプで、けっこう悩まされています。
外に出ているときは、感情のコントロールがしっかりできているんですが、家庭に戻ると小さなことにイラッとしてしまうことが多いです。
そして怒った後に、なんであんなことでイライラしたのか後悔してしまうことも多いです。
この間、NHKのニュースを見ていたら、アンガーマネジメントについてやっていました。
最近、アンガーマネジメント、感情のコントロールについての話題が増えてきているような気がします。
現代社会はストレスに満ちていて、社会で生きていくためには感情のコントロールが必須になってきているということでしょうか。
ここでは、皆さんとご一緒に怒りについてアンガーマネジメントについて考えていきたいと思います。
テニス界のレジェンドにして、グランドスラムで史上最多17度も優勝したことのあるロジャー・フェデラー選手は試合中感情をコントロールし、常に冷静であることで有名です。
しかし、そんな彼も若い時は、感情のコントロールができず、怒りのあまり試合を放棄したり、ラケットを折ったりしていたそうです。現在のフェデラー選手のイメージとは余りにも違うので、意外に思えるかもしれません。
フェデラー選手はあるインタビューの中でこう語っていました。
「試合に負けると酷く落ち込んでいた。本領が発揮できなかったことに落胆した。負けた後はよく涙を流したし、逆に勝った時は有頂天になって喜んだ。どちらにしろ、僕は試合の結果に余りにも多くのエネルギーを費やしていたんだ。勝った試合をどう祝福するか、負けた試合をどう受け止めるか。結果に対してもっと冷静になる必要があることに気付いたんだ。それに気付いてから、自分の芯が安定して徐々に結果を残せるようになったんだ。」
私が解釈するに、フェデラー選手は一つ一つの物事に自分の意識や感情を集中させるのではなく、もっと大きな視点から自分という存在を俯瞰して見ることで、一喜一憂することを克服したのではないかと思います。
その出来事が自分の人生にとって全てではない。俯瞰して見ることで、良いことも悪いことも人生という全体の一部であると認識できるのだと思います。
そういう認識に立つことで、自分の芯をもち、常に安定することができるのでしょう。
まあ、しかし、ここまでの境地に達することのできる人はそんなに多くいないと思います。
そこで、もっと簡単に、私たちでもできそうなアンガーマネジメントを考えていきたいと思います。
NHKの番組では、怒りとは自分との違いから生まれてくるのだと言っていました。私からすれば、これは怒りの側面の一部でしかないと思います。しかし、アンガーマネジメントの視点からすれば、なるほどと思います。
自分と同じ考えや常識については違和感を感じません。ですので、ここの部分には怒る要素がありません。
自分と少し違うが許容できるところに入ってくると、他人との違和感を感じ始めます。こころはいわゆる我慢できる部分です。
しかし、完全に自分と違うという部分では、私たちはそれを許容することができません。そして、怒りとはこの部分に触れた時に湧いてきます。「どうしても納得がいかない」「許せない」「相手が間違っている」「自分が正しい」「あり得ない」「理解できない」そんな感情が湧いてくる部分です。
ここの部分では怒りが発生してしまうので、「少し違うが許容できる」を広げることがアンガーマネジメントの鍵を握っています。その訓練が必要です。
これは怒りを我慢する能力を上げるのではなく、不必要に怒る労力を減らすことを目的としています。怒るべきものと、怒る必要のないことを分けることが訓練で求められます。
そのためには、自分の中で何が許せて、何が許せないのかを見極める必要があります。
「少し違うが許容できる」部分を広げるには、なんでも「ダメ・違う」ではなく、相手を尊敬し、理解しようとする姿勢を持つ必要があります。この姿勢抜きには、訓練は進まないでしょう。そして、フェデラー選手の考え方から学ぶなら、相手や出来事の一部分だけを見て判断するのではなく、全体を俯瞰して見るという視点を持つことも大切そうです。
もう一つ、NHKの番組で言っていたことは、怒りを感じたら6秒間耐えてみるということです。人間は、怒りを感じ始めるとアドレナリンが活発に放出されるそうです。ただ、このアドレナリンの放出は(諸説あるが)4~6秒が限度らしいです。逆に言えば、最初の6秒間耐えることができれば、怒りを受け流せるということみたいです。
ここまで色々話していきましたが、実際に実践してみることは本当に難しいと思います。「言うは易く行うは難し」です。私自身、恥ずかしながらこれを実践していくには努力が全然足りません。しかし、アンガーマネジメントについて何も知らないよりも、知っていた方が良いに決まっています。何かの場面で生かせるかもしれません。
機会があれば、また怒りについて考察していきたいと思います。
怒りのコントロールについてのお話でした。