「東アジアの覇権をめざす中国に対抗する存在は米国と日本であり、中華という覇権の成否はこの二国との関係のなかでほぼ決まってくる。…こうした中国の大戦略の線上に日本の国連安保理常任理事国反対と反日デモがある。日本を米国から切り離し、かつ中国に従順な国にすることで米国の東アジアへの介入を断念させることが、覇権を確立する最大のポイントである。そのための核ミサイルにもまさる対日戦略兵器が、日本の歴史認識批判というソフトウェア爆弾なのだ。これには、米国の核もハイテク通常戦力も、抑止力とはならない。」―黒野耐『「戦争学」概論』
中国は経済的にも軍事的にも強大化し、今や覇権を狙うことが現実的に可能になりつつある。しかし、日本にとっての中国の本当の脅威とは経済でも軍事でもなく、歴史認識批判というソフトウェアにおける攻撃である。
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