前回で「認識について」のお話は終わりました。
今回は前回までの認識についての話のまとめです。
A 「認識」の根源は「主体ー私」である。
B 「主体ー私」は本質的に相対的であり、不確定性を孕んでいる。(「主体」ごとに「私」であるという覚知が異なり、同一「主体」であっても加齢によって「私」であるという覚知が変化する)
C AとB故に、「認識」もまた相対的で不確定なものである。
D →認識不確定性原理
E 「感知」は「認識」を構成する一機能である。
F 「感知」は不完全である。(感覚器には限界があり、「感知」できなければ「外的存在」があったとしても、それは存在しないと同じ)
G EとF故に、「認識」もまた不完全である。
H →認識不完全性原理
I 他者と確定的で完全なる「認識」を共有するには、確定的な「主体」と完全なる「認識」が必要。
J DとH故に、原理的に他者と確定的で完全なる「認識」を共有する基盤を構築することは不可能である。