皆さんは自分に自信がありますか?

ある記事によると日本人は自己肯定感がとても低いといわれています。

「自分に自信がありますか?」という調査に対して実に57%の人が「いいえ」と答えたそうです。

これはちょっと普通ではない数字です。

自分に自信がない人の方が、ある人に比べて多い社会が普通といえるでしょうか。

2人に1人以上は自分に対して自己肯定感を持てていないのです。

自己肯定感は心理学的には “self-esteem” =「自尊心」というそうです。

自己肯定はいうならば自分を尊重するということです。

自分は尊い存在で、色んな可能性を持っている、自分は信用するに値する存在である。そう認識することが自己肯定感です。

自己肯定感は精神的な安定のために非常に重要です。また、成長過程において自己肯定感を身に着けられないと、後の人格形成に大きな影響を与えることになるそうです。

自己肯定感を持てない。それは即ち自分を信用できない、自分自身を信じられないということです。

自分を信じられない人は、自分の持っている能力に疑問を抱き、主体性を失います。また、極端な場合は自分の存在を否定的にしか捉えることができなくなります。

自己否定している人は、自分がもっている能力や強みを見つけることができません。客観的に見ればそれが強みであったとしても、本人はそれを肯定的に捉えることができないのです。そのような認識ができない状態に陥っているのです。

自己否定するのは簡単です。他者と比べれば、自分よりも凄く見える人はいくらでもいます。そして、自分を守るためにちょっとだけ自分を否定します。

友人と比べて成績が悪かったとします。そうすると「あいつの方が頭が良いから仕方がない」と思うでしょう。でも、それは「自分が良い成績じゃないのは、自分が馬鹿だから」と言っているのと同じです。

しかし、その思考が負の連鎖の始まりです。

自分は馬鹿だから、何をやっても失敗する。

自分なんて何も特技を持っていない。

自分なんて自分なんて何もできない

そして、行き着く先は「自分なんて価値がない」という結論です。

「自分なんて・・・」これが自己否定です。

自己否定はあらゆる場面に潜んでいます。

容姿に自信がない。コミュニケーションが上手く取れない。空気が読めない。実行力がない。頭が悪い。仕事が遅い。体が弱い。粘り強さがない。続けることができない。経済力が低い。物覚えが悪い。物忘れが激しい。あるいは、障害を持っているということもあるかもしれません。

自己否定の要因は、考えればきりがありません。生活のあらゆる場面に自分を否定する要素があります。

自己肯定感がない人は、それを意識してしまいます。

まるで、否定的な要素が自分の全てであるかのように思い込んでしまいます。そして、その考えから抜け出すことができません。

なぜなら、自分を根本的に信用することができないからです。

「自分なんて・・・」という思いは、自分自身を受け入れていないことの現れです。

自己否定・自己不信はうつ病などの精神疾患、依存症や摂食障害などの精神障害などのリスクを高めるだけでなく、人間の尊厳・価値・権利を奪い去ります。

もし、自己否定を強要させたり、自己否定を美徳として勧める環境や社会があるならばそれは異常です。

あなたの欠点がまるであなたの全てであるかのように言ったり、自分の欠けを考えることがまるで謙遜であるかのように勧めることは、あなたが本来持っている価値を奪うことと同じです。

自己否定・自己不信は自分の目を塞ぐことに他なりません。自分が本来持っているはずのストレングスを見えなくさせるからです。

人間には一人ひとり、必ずストレングスがあります。あるいは個性と言い換えることもできます。自分自身に目を向ければ必ずストレングスや個性を発見できます。

ストレングスや個性のない人間は存在しません。なぜなら、私が私であるという事実が現にあるからです。あなたがあなたであるということ自体が特別な個性なのです。

自己肯定とは自惚れではありません。

自己肯定とは、ありのままの自分を尊重し、受け入れるということです。

他人と比べることで評価を決めるのではありません。

自分の存在そのものに価値があるのです。

今、あなたがいるということ自体に計り知れない価値があるのです。

何かが欠けている、何かができないとしても、それはあなたという存在のほんの一部分でしかありません。むしろそれは個性であり、今のありのままの自分が尊いのです。

ありのままの自分を尊重し、受け入れる時、人は自分の持っているストレングスの豊かさと自分自身の限りない可能性に気付くことができます。自己肯定感を持つことで人間は初めて「私らしく」生きることができます。

自己肯定的に生きている人も、自己否定的に生きている人も同じように成功したり・失敗したりします。しかし、自己肯定的な人と自己否定的な人では人生の捉え方・生き方が違います。

自己肯定的に生きることができれば、成功を自分の自信に、失敗を次への学びに変えることができます。

そして、成功しようが失敗しようが、自分が自分であるという事実と自分自身の価値は変わらないのです。

そのことを心に留めていきましょう。

ありのままの自分を尊重し、受け入れる大切さのお話でした。