言葉の曖昧さ図形

この図を1分間見てください。そして、何も知らない友人に言葉だけで図を説明してみてください。

ジェスチャーは一切使わず、言葉だけでこの図を説明し、友人に再現するように描かせてみてください。友人からの質問は禁止です。

説明の時間は1分、描くの時間は30秒です。

2回目もあるので、1回目が終わっても図の答えはまだ教えないでください。

実際にこれをやってみると、たいてい再現された図は、答えのこの図とは何かが違っているはずです。

もし、友人が図を完全に再現することができたなら、それは余程あなたの説明が上手だったか、友人の理解力が高かったのだと思います。

言葉だけで物事を上手く伝えることは、かなり骨の折れる作業です。

言葉は曖昧で、誤解を引き起こしやすいものです。

皆さんも、自分の経験からそのことが分かると思います。思い当たる過去も沢山あるはずです。

言葉だけで、自分の考えていることや思いを完全に伝えることは、なかなかできません。

なぜなら、あなたが前提としているもの(伝えようとすることに対する知識・状況・背景など)を相手も共有しているとは限らないからです。

誤解を引き起こす原因は色々ありますが、その1つに「前提の違い」があると思います。

「前提の違い」があることで、「これは説明を省いても理解できるはず」「これを知っているからこう考えられるはず」などと無意識に考えてしまいます。

これが誤解の元です。

では、どうすれば誤解を引き起こす可能性を小さくすることができるでしょうか?

その方法の1つに、確認と質問があります。

確認は説明する側がすることで、相手が本当に説明を理解できているのか、自分の説明に何か不十分な点がないかを確認することです。

また、質問は説明を受ける側がすることで、自分の理解がそれで正しいのか、不明な点があるならば質問することです。

最初の図に戻ってみてください。

今度は、図の説明の際、説明する人は確認、説明を受ける人は質問をしてみてください。そして再び図を描かせてください。

すると、今度はだいぶ正確に図が再現できると思います。

一方的な説明の時よりも、精度が上がるはずです。

これはあらゆる場面で通じることです。

言葉自体に曖昧さがあったとしても、コミュニケーションによってその曖昧さを補うことができます。

コミュニケーションを積極的に取っていくことが、誤解を減らすための最大の武器です。

人間関係は小さなところから誤解が生じ、すれ違いが生まれます。ですがほんのちょっとの努力と配慮でそれを防ぐことができます。

確認と質問、心掛けてみると良いかもしれません。

コミュニケーションって大切だよね、というお話でした。