だいぶ前に春日大社の宮司さんから教えて頂いた言葉を思い出します。
現在の自分は、過去の自分の積み重ねによって形作られています。
同じように未来の自分は、現在の自分の積み重なりによって決まってきます。
私たちの体は約37兆個(昔は60兆と言われていた)の細胞によってできています。
そして、脳細胞などの神経細胞は別にして、私たちの体は古い細胞を壊して、新しい細胞へと造り変えていっています。いわゆる新陳代謝を絶えず行うことによって地道に細胞が入れ替わっています。
そして、一説によると約6年ほどの時間を経ることによって、体の細胞は全て入れ替わることになるそうです。ソフトフェアのアップデートのように、ある時に全てが入れ替わるということではありませんが、毎日の新陳代謝によってある年月が経つことで全部の細胞が入れ替えられるということでしょうか。
骨も血も内臓も筋肉も髪も全部らしいです。
驚きですよね。
つまり、数年前の自分と今の自分は違う細胞からできているということです。
不思議ですよね。
そして、ここからが宮司さんのお話なのですが、こうした私たちの新陳代謝のエネルギーとなっているのが日々の食事です。
私たちは食事を食べることによって生活するエネルギーを得、体を保っています。
ですから、私たちの今の体は過去に食べた物によって造られているとも言えるでしょう。
数年間ファストフードだけを食べ続けたならば、今の体はファストフードから得られた栄養で造られています。
同じように、バランスの良い食事を数年間続けてきたのならば、その栄養から今の体ができています。
どちらが良いのかは分かりません。しかし、無頓着な食生活を続けるよりは、ある程度バランスの取れた食生活の方が健康には良さそうです。
その宮司さんは食生活のことを伝えたかったのではありません。
宮司さんの話の要旨は、「だらしない生活からはだらしない現在しか生まれてこない。充実した未来を求めたいのならば、今をしっかり生きる必要がある」ということでした。
この宮司さんのお言葉は非常に重みがあり、忘れられない言葉です。
そして、人生においての真実を語っていると思います。
冒頭にも書きましたが、私たちの人生は過去から現在、現在から未来へと常に連続していっています。つながりがあります。過去と未来は無関係ではないのです。
つまり、今の自分は過去の自分の生活、努力、行ったこと、人間関係から出来上がっているのです。そこを否定することはできません。生まれつきの才能などもあるので、全部がそうと言うことはできませんが、しかし過去が現在に及ぼす影響は極めて大きいものがあります。
ですから、一日一日が大切です。
今日をどう生きるかが、未来につながっていきます
今できる努力をすることが、未来へ確実に影響を与えるのです。
それは希望ではないでしょうか。
そしてまた、未来が現在に影響を及ぼすこともあります。
ある未来像を目標に掲げることで、そこに至る一日一日を頑張ることができるということもあります。
しかし、現在が未来につながることと、現在の努力が確実に報われることはまた違った次元の話です。
どんなに努力しても報われないことはあります。
それは運が原因だったり、色々な要素が絡んできます。
私たちは成果を作り上げることはできません。それは自分の力の外側にあることです。
これは諦めではありません。そういった成功や失敗をどう受け止めていくかが大切なのです。
その受け止め方によって、そういった成功・失敗の経験を未来の自分への糧とすることができます。
成功が重要なのではありません。それは一つの出来事でしかありません。同じように、失敗が重大なことでありません。それも一つの出来事でしかないのです。
大切なのは、こういった人生の受け止め方、生き方です。
私たちは、自分自身の在り方、人生の生き方は自分で決め、造っていくことができます。
自分という存在は、自分にまかされているのです。
これは当然の権利でもありますが、同時に感謝すべきことです。
未来のために、今日を大切に生きましょう。
日々の積み重ねの大切さのお話でした。