1.ルーティンとは

ラグビーの五郎丸歩選手のルーティンが注目されています。

五郎丸選手はキックを蹴る前に独特な一連の所作を必ず行います。

それはルーティンと呼ばれています。

彼はこのルーティンを行うことによって、精神統一を図り、高い精度でキックを決めることができます。

五郎丸選手のルーティンについてはこの記事が詳しいです。

どんなスポーツにおいても、試合中、特に大きなプレッシャーがかかる場面で自分の本来の力や技術を100%発揮することは非常に難しいことです。

練習中なら当たり前にできることが、試合中にはできない。

スポーツをやったことのある人なら誰でも経験することです。スポーツ以外においても、緊張する場面に立たされると、いつもの自分の様に振舞えなくなってしまう経験がある人は多いでしょう。

なぜそんなことが起きるのでしょうか?

その原因はメンタルタフネスにあります。

同じ力、同じ技術を持っていたとしても、メンタルタフネスの強さによって大切な場面で発揮できる力は全く違います。

練習してきたことが、一番必要な場面で発揮できない。なんと悔しいことでしょうか。そして、多くの人がこのことを克服できずに苦しんでいます。

それを克服する方法の一つに、ルーティンがあります。

ルーティンとは、ある行動を取る前に決まった所作を行うことです。ルーティンを行うことにより、本番中のプレッシャーや、集中を乱す様々な要素を意識の外に追い出すことができます。

しかし、ルーティンは一朝一夕にはいきません。1回行っただけでは何の意味も効果もありません。

ルーティンが真の力を発揮するのは、ルーティンが自分のものとなった時です。それには、何百回と繰り替えす訓練が必要です。

何百回とルーティンを行い、身に着けることによって、自分の意識をルーティンの所作だけに向けることができます。そのこと以外に意識が全く向かない。いわゆる無心の状態に入ることができるのです。

ルーティンを行うことだけに意識を集中させることによって、プレッシャーが入り込む余地が無くなるのです。

練習は本番のように、本番は練習のようにといわれますが、ルーティンは正にこれを実践していくことに他なりません。

2.日常生活においてのルーティン

そして、面白いことにルーティンは試合などの瞬間的な集中力が求められる場面だけではなく、日常生活においても力を発揮します。

仕事や勉強に集中できない、やるべきことがあるのに始めることができない。

やる気がないのではありません。でも、力が入らない。これはけっこう、多くの人の悩みであると思います。

それを改善する方法の一つに、日常生活にルーティン=習慣を取り込むことがあります。

メジャーリーガーのイチロー選手は、生活に厳格なルーティンを決めています。

彼は、起床から就寝まで毎日ほぼ同じ行動パターンを繰り返しているといわれています。

また練習する時も同じで、いつも全く同じメニューを繰り返しています。今日は、どれからやろうかな、などということは絶対にしません。全てやるべきことが決まっているのです。

ではなぜイチロー選手がここまでルーティンに拘っているのでしょうか?

それは、生活を習慣化することによって、「次は~する」が自動化されるからだと思います。

普通、何か特別なことをするには(例えば、デスクワーク、勉強、家事)、それをするためのスイッチを入れなければ行動に移れません。そして、このスイッチを入れることには結構力が入ります。「~に集中できない」「~しなければならないのに行動に移せない」と悩んでいる人は、このスイッチを入れることに苦しんでいるのです。

しかし、生活を習慣化することで、「次に~する」時に自動的にスイッチが入るようになるのです。スイッチを押すことに力が必要なくなるのです。そして、苦も無くやるべきことに行動を移すことができ、尚且つ作業中に非常に高い集中力を保つことができます。

なぜ集中力も高められるかというと、スイッチを押すことに余計な力が必要なくなることで、その分エネルギーを作業に傾けられるのです。また、脳と体が次はこうするものだと既に思っているので、余計なことを考えなくなるからです。五郎丸選手がルーティンを行うことで、無心の状態に入ることと同じだと思います。

私自身も元々、なかなかやるべきことに行動を移せなかったタイプの人間でしたが、生活にルーティンを取り入れてからは非常にスムーズにいっています。経験上、とても楽になったなと感じます。

また、ルーティン=習慣には別のメリットもあります。それは、生活のリズムを安定させることで、生活自体に余計な波が立たなくなります。または、波が立つ幅を狭くすることができます。

人間は毎日バラバラのリズムで生活しているだけで、肉体的にも精神的にも余計な負担とエネルギーが必要になります。特に、精神的なものは本人が気付いていないだけで、大きな負担を強いられています。

日常生活にルーティンを取り入れ、生活リズムを安定させることによって、かなり精神的にも安定していきます。精神的に波が立つリスクや影響を最低限に抑えることができます。

これは節制した生活を送れということではありません。生活に対して自分のルールを設けるだけです。

生活にルーティンを取り入れることは難しいことではありません。

生活に対して自分がいくつかのルールを決めて、それを順序通りに実行していくだけです。

  1. 生活のリズムを決める。(何時に起きる、寝る。何時になったら何をする等)
  2. 行動の順序を決める。(起きたら、歯を磨く。風呂に入ったら、食事にする等)
  3. 行動に移る前の所作を決める。(仕事前にコーヒーを飲む。机につく前に両手を重ねる。プレゼン前に深呼吸する等)
1と2は生活の安定さを確保し、3は行動に入るスイッチを押す役割があります。

そして、これらのルーティンは休日まで続ける必要はありません。むしろ生活にメリハリをつけることが重要です。

また、不測の事態や行事でルーティンを守れない時もあると思いますが、その時は「今日は自分から意識的にルーティンを崩すのだ」と自分に言い聞かせれば問題ありません。大切なのは自分が自分の生活をコントロールしているのだという意識です。

3.行動と生活のルーティン

行動に対するルーティンと生活に対するルーティンはそれぞれ別の効果があります。

行動に対するルーティンは精神統一、生活に対するルーティンは精神安定の効果があります。

これら2つのルーティンを組み合わせ、生活に取り入れることで、新しい生活を築くことができるかもしれません。

ルーティンの大切さのお話でした。

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