日常生活の中で最もストレスのかかるものは人間関係であると言われています。

皆さんも、人と関わっている中で、自分と他人との微妙な差異に違和感を感じると思います。それは考え方だけではなく、相手の反応、態度、仕草など細かいところからも感じます。

何故、あの人はこんな行動をするのだろうか?

良かれと思ってやったのに、あの態度はなんだ?

理由は分からないが、あの人と付き合うのが苦手だ。

今回からのシリーズでは、そういった対人関係の難しさを理解するために、交流分析という視点から、自分を知り、他者を知るということを学んでいきたいと思います。

1.交流分析の基本理論について

交流分析(transactional analysis)とは、1950年代後半にアメリカの精神科医であるエリック・バーン(Eric Berne 1910-1970)によって始められた心理療法理論です。

交流分析はフロイトの精神分析に基づいたもので、フロイトの精神分析で用いられる概念、用語を分かりやすく説明しています。

この為、しばしば交流分析は「フロイトの精神分析の口語版」と呼ばれることがあります。

エリック・バーンは難解なフロイトの精神分析の理論を分かりやすい日常用語で説明し、一般の人々にも理解できるようにしました。

また、エリック・バーンはそれだけではなく、フロイトの精神分析の理論を臨床にも応用可能なものにしたのです。これが交流分析です。

交流分析の定義は国際交流分析学会によってされています。交流分析は「人間の心と行動に関するパーソナリティー理論であり、同時に、人間の成長と変化をめざす心理療法の一体系でもある」と定義されています。

交流分析の基本人間哲学の立場は3つあります。

1.人は誰でもOKである。あなたも私も人間として価値があり。重要で、尊厳を持っている存在であること。

2.また、人間は思考する能力を有していること。よって、自分の人生に何を望み、決めるかの責任は全て自分自身にある。つまり、人は誰でも最終的には自分で考え、選択し、決定したように生きるのである。

3.そして、この事によって、人は誰でも自分の運命を決め、その人生の決定を自分の望むように変えることが出来るのである。

また、交流分析を心理療法として用いる時の基本前提が2つあります。

1.人と過去は変えられない、ということ。

2.自分の人生は自分が責任を負っており、自分の感情、考え方、行動の総責任は全て自分にあるということである。

だからこそ、交流分析は「人も過去も変えられないのだから、今、ここでの自分の対応の仕方、生き方を変えてみよう」と提案します。

以上の基本的な立場から、交流分析は6つの基本理論を構築しています。

1.自我状態の分析、2.やりとりの分析、3.ストロークの欲求とディスカウント、4.人生における基本的構え、5. 心理的なゲームの分析、6.人生脚本の分析

交流分析は、この6つの基本理論によって自己理解をすることが出来ると教えています。

これから、これら6つの基礎理論について一つ一つ見ていきたいと思います。

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