6.心理的なゲームの分析

心理的ゲームとは、「語られる言葉の背後に『隠された意図』があり、結末に必ず不快な感情をもたらす、非生産的な人間関係の出来事」のことです。

心理的なゲームはストロークが不足した時に行なわれ、自分が子供のころ親から得られたストロークの方法によってゲームを繰り返します。

ゲームの特徴は、まず繰り返し起こり、予想可能な結末へいたるということです。その結末とは、後味の悪い感情がただ残るだけです。心理的ゲームはいつも決まった結果になり、お互いにフラストレーションが溜まり、嫌になるまで続きます。心理的ゲームは「こじれた人間関係やパターン化された対人トラブルを引き起こす自滅的なコミュニケーション」と定義できるでしょう。

また、表面的にはAとAのやりとりに見えるが、その裏には隠されたやりとりがあり、罠やからくりが仕掛けられています。

そして、ゲームは仕掛けた本人も無意識であり、Aの気付かないところでPやCがゲームを行なっています。

交流分析18 交流分析19

以下、「総合心理相談」(http://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/knowledge/basic/transactional004.html) からの引用

「交流分析における主要な『ゲーム』には、以下のような種類のゲームが想定されている。

はい、でも……相手に対して指示・援助を求めつつも、相手がアドバイスや助言をしてくると、『はい、でも』という反対意見や不同意を述べるゲーム。相手がどんな意見や提案を出しても、それに従わない反論や言い訳をしてくるので、相手はうんざりしたり無力感にとらわれたり感情的に怒ってしまったりする。

キック・ミー(私を嫌ってくれ)……挑発的な言動をして、相手の拒絶や嫌悪、怒りを無意識的に誘発するゲームで、『私はOKでない・他者はOKである(自己否定・他者肯定)』の基本的な構えを確認しようとしている。自分に対する自信や肯定感がないので、『自分が拒絶されて処罰されるべき人間』であることを自己証明するかのように、他者に対して挑発的な発言をしたり、他者から否定されるような行動を取ったりしてしまうのである。

仲間割れ……複数の他人に矛盾した情報を与えたり、仲違いするような悪口を伝達することで、それらの他人を対立させ喧嘩させようとするゲーム。自分以外の複数の他者の間に仲間割れ(喧嘩・対立・嫌悪)を引き起こすことで、『自己肯定・他者否定』の基本的な構えを確認しようとしているのである。他人同士の仲が悪くなるような情報や悪口を吹き込んだり、誰かの悪口を言っている人の嫌悪感を煽り立てるような告げ口をしたりするのが『仲間割れ』のゲームであり、このゲームを仕掛ける人は他人が醜く争い合う姿を見て『人間関係や友情には大した価値がない』という自らのネガティブな信念を補強しようとしている。

あなたのせい……自分の行動やミスに対する責任を取らずに、何か問題が起こったり上手くいかないことがあると、それらを全て他人や環境のせいにしてしまうゲームである。『あなたのせい』のゲームの特徴は、自分の行動・選択に対して無責任な対応をする『責任転嫁(責任回避)』と、自分のミスや短所を棚に挙げて他人を厳しく非難する『他罰主義』にある。無責任な言動や他罰的な振る舞いによって、最終的には他人に嫌われることが多くなり孤立しやすくなる。

大騒ぎ(ひどいもんだ)……自分の不幸や苦痛を『こんなにひどい状況だ』と大袈裟にアピールすることで、他人の同情や関心を集めようとするゲームである。自分の不幸や苦痛を派手に嘆いて悲しみながらも、それらの問題状況を具体的に解決する行動は取らずに、『自分がどれだけ酷い状況にあるか』を訴えて大騒ぎすることになる。病気の症状や苦しみを利用して『社会的な責任』を逃れたり、自分の不幸や問題を強くアピールすることで『他者の支援・同情』を引き出したりするが、最終的には『大袈裟な人・狼少年』といった認知を持たれて誰からも相手にされなくなることも多い。

決裂……他人と激しく口論や争いをした後に、説得・相互理解の可能性を諦めて、『決裂のポーズ』を取って相手を無視するというゲームである。お互いに『自分はOKでない・相手もOKではない(自他否定)』の基本的な構えを確認するために行うゲームであり、相手との個人的な親密な関係に入ることへの恐怖感が影響していることも多い。決裂のゲームは、相手を過小評価して批判したり、相手の人格を揶揄したりすることによって始められることが多いが、『決裂と関係の修復』を延々と繰り返すケースも見られる。

粗探し……どうでもいいような相手の些細なミスや失敗、欠点を探し出して非難しようとするゲーム。上司の部下に対する陰湿ないじめ、姑の嫁の家事のやり方に対する細々とした非難、先輩の後輩に対するしごき、不満の多い客の店へのクレームなどで、『粗探し』のゲームが繰り返されることが多い。『粗探し』は、『他人はOKではない』という他者否定の構えを確認することで、自分を肯定しようとする動機づけによって行われるゲームである。

苦労性……無理をして過大な責任を背負い込んだり、複数の役割や仕事を引き受けたりすることで、自分を追い込みいつも疲労困憊してしまうというゲームである。幼少期の要求水準(期待度)の高い親子関係によって形成された『完全主義・強迫観念』が影響しているゲームだが、自分の能力・体力の限界を考えずにあれもこれも完璧にやろうとした挙句、心身の疲労が蓄積して倒れてしまうことも多い。物事に熱中し過ぎる凝り性の人に多いが、自分の体力の限界に配慮しないため、結局、生産的な結果を出せずに終わってしまうことも多い。

あなたのため……治療熱心な医師と医師の無能さを証明したがっている患者との間で起こりやすいゲームが『あなたのため』である。医師は『あなたのため(患者のため)』という大義名分を持って患者の疾患を治すために様々な検査・治療・投薬を行うが、患者は『効果が見られない』という抵抗を示して、それで自信が揺らいだ医師がますます『あなたのため』ということで無意味な治療法や検査を追加し続ける悪循環を示す。

精神療法……『あなたのため』にと類似したゲームであり、医師が『自分の臨床家としての有能性』を証明しようとし、患者が『医師の無能さ・役に立たないこと』を証明しようとして、お互いを否定しようとする悪循環にはまり込んでいく。精神療法のゲームをしている人は、自分の病気を治せないという挫折感を医師・看護師に与えるためにドクターショッピングをしていたりするが、そのゲームの根底にある心理は『親に対する怒り・不満・復讐心』であると考えられている。」

なぜ私たちはゲームを行なうのか。それには5つの理由があります。

  1. 子供の頃から持ち続けている否定的な感情をさらに持ち続けることができるから。それによってアイデンティティを守ろうといている。
  2. ゲームをすることによってすべて直面する恐ろしいことから逃げることができる。
  3. あまり親しくなることなく、他人と一緒の時間を過ごせるから。
  4. たとえ否定的なものであっても、ストロークを貰えるから。
  5. Cの信じる人生の基本的構えを正しいと証明することができるから。

ゲームをやめるには、自分がゲームをしていることに気付くこと。前にも同じようなことがあったとか、同じような気分になったと思ったら要注意。

また、Aの自我状態を働かせてAでやりとりをすればゲームは止まります。そして、ストロークが不足しているのでゲームが発生するのだから、ストロークを要求したり、与えたりすれば根本的な問題は解決すると理論上はいえます。

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