7.人生脚本の分析
交流分析では、人生を「一遍のドラマのようなもの」と理解し、皆自分なりの脚本を持っていて、その脚本に書かれている役割に基づいて、人生という舞台で演じている、と考えています。
そして、この人生脚本とは「無意識の人生計画」であり、私たちの幼児期の幼児決断によって人生脚本テーマが決定されていくのです。
そして、人間は人生の重大な岐路に立たせられる時、この脚本に基づいて決断をしていきます。
人生脚本は、「幼児期に両親からどのようなストロークを与えられえて育ったか」によって、大きく影響を受けます。人生脚本は「禁止令」、「拮抗禁止令」、「行動のプログラム」の3つによって構成されています。
「禁止令」とは、最も強力なメッセージであり、人生脚本の形成に最も大きな影響力を持っています。禁止令とは即ち、親のCから子供のCに送られる、親の子供に対する無言(非言語的)の本音です。
「拮抗禁止令」(ドライバー)とは、親の子供への期待のこもったメッセージ(言語的)であり、道徳的判断や価値判断に関するものです。メッセージは親のPから子供のPへ発せられます。
「行動のプログラム」とは、人生をこう生きようと決断した子供の、具体的な行動、振る舞いであう。具体的な方法はAが考えます。
8.人格適応論
人格適応論とは、6つの人格適応タイプを使って、人間を理解する方法を提供するモデルです。
パウル・ウェアーによると、子供は幼児期において両親から「禁止令」と「拮抗禁止令(ドライバー)」のメッセージを受け取り、人生への適応の仕方を身に付けていきます。
人格の適応様式には6つあります。
1.スキゾイド型(想像型)-創造的夢想家
2.反社会型(反社会型)-魅力的操作者
3.パラノイド型(信念型)-才気ある懐疑者(以上生き延びるための適応タイプ)
4.強迫観念型(思考型)-責任感ある仕事中毒者
5.受動攻撃型(反応型)-おどけた反抗者
6.演技型(演技型)-熱心な過剰反応者(以上行動上の適応タイプ)
この人格適応タイプはそれぞれ、肯定面と否定面を持っています。
また、各適応タイプには外界と接触するドアというものが3つ存在しています。
オープンドアとは、その人が周りの世界と接触する入り口である。これを間違えると、相手は防衛的になる。
ターゲットドアとは円滑な人格の形成のために統合が必要な部分である。治療に反応するドアである。
トラップドアとは、最も傷つきやすい部分で、外界からの防衛にエネルギーを使う領域である。
各適応タイプによって適切な接し方が違います。それを間違えると、コミュニケーションが適切に行えません。最悪、コミュニケーション不全に陥ります。上の画像にも各適応タイプにおける「3つのドア」「接し方」の一覧が載っています。
最後に、ジョインズは、どの適応タイプにもそれぞれ価値があり、適応タイプの組み合わせによって、固有の価値が生まれるといっています。どの人格が一番素晴らしいということではなく、それぞれが自分の人生を生き抜いてきたからこその今の人格があるのです。私は私であることに価値があるのです。その意味を知ることが最も大切です。