前回の「瞑想の心得」の中でも触れた話でもあります。

私たちはそれぞれに人とは異なる能力を持っています。

一人ひとり、知的能力、創造力、コミュニケーション能力、並列思考能力、集中力、体力、精神的なエネルギー量などが異なります。

そして私たちは長く生きる中で自分の能力の限度や限界を知っています。

自分は集中力は高いが、同時に物事を考える並列思考は苦手だなあとか、創造力はあるんだけどどうもコミュニケーションを取るのが不得意だ・・・などです。

そのような自己分析をすることは大切です。自分の生活や仕事の中でなるべく失敗をしないように分をわきまえるということもあるでしょう。

しかし、今回私が語りたいことは、それらの自分の能力分析は本来の自分の能力よりも低く見積もっている可能性があるということです。

私たちは生活し仕事をする中で自覚的にしろ、無自覚的にしろ、多くのストレスやプレッシャーに晒されて生きています。

皆さんも実感したことがあるかと思いますが、私たちは極端なストレスやプレッシャーに晒されると著しく自分のパフォーマンスが低下します。冷静な思考ができなくなり、本来できるはずの作業ができない。あるいは創造力が失われたり、集中力を持続できなくなったりします。これが力の制限です。これらの体験を皆さんも経験したことがあるはずです。

実は、力の制限は上記のような極端な場面に遭遇しなくても、日常生活の中で常に起きている現象でもあります。つまり、私たちは無自覚的・無意識的に多くのストレスを溜め込んでおり、そのストレスが私たちの本来の能力を阻害しているのです。明らかにプレッシャーを感じているという場面でなくても、私たちは常に無意識に抱え込んでいるストレスによって力を制限され、知的・肉体的・精神的にベストパフォーマンスを発揮することができていません。例えるならば、私たちが溜め込んでいるストレスがネガティブなエネルギーと変質することによって私たちの本来持っている知的・身体的・精神的な能力を大きく押さえ付けているのです。

信じがたい話かもしれませんが、私は自分の経験から確信をもって言えることができます。ストレスを心に溜め込んでいた時の日常の自分の能力と、ストレスを上手く解放し、コントロールできている現在では自分の能力に大きな差がでています。自分の能力はこんなに高かったのかと実感しています。

前回の投稿の「瞑想の心得」では瞑想によって自分の中に溜め込んでいるストレスを瞑想によって解放していき、コントロールできるというお話をしました。皆が瞑想をする必要はありません。しかし、自分の経験から言えることは、皆さんが自覚している自分の能力、「こんなものだろう」と思っている自分の力が本来のあなたの力ではない可能性が高いということです。自分で感じている自分の能力の限界と本来発揮できる能力には大きなギャップがあり、それを阻害しているのが心の中に溜め込んでいるストレスなのです。分をわきまえることは大切ですが、自分の本来の力も知らないのに自分に限界を設けていることは悲しいことです。

ストレスを解放し、コントロールする方法は瞑想以外にも様々あります。例えばスポーツです。自分に適したストレス解消法を身につけるのが一番良いでしょう。今回言いたかったのは、あなたの力はこんなものではないということ、私たちは自覚できないだけで無意識に溜め込んだストレスによって大きく力を制限されているということです。そして、ストレスと上手く付き合い、解消法を身につけ、コントロールできるようになれば、自分の本来持っていた能力の高さと、エネルギーの量に驚かされるでしょう。

それゆえ、ストレスコントロールは社会一般に認知されているよりも、私たちの生活とって非常に重要な要素なのです。ストレスコントロールを疎かにして生きるということは、常に自分の中に入ってくる毒物を見ているだけで何もしないのと同じことです。その毒物が明らかに自分(知的・身体的・精神的に能力)に悪影響を及ぼすことを知っていながら、その毒に侵されるままにしておくべきではありません。ストレスという毒物が私たちのあらゆる能力を制限するならば、そのストレスを上手く対処すべきです。私の場合は瞑想がその方法ですが、他にも様々な方法があるでしょう。大切なことは、ストレスコントロールによって本来持っている自分の能力をいかに引き出せるようにするかということです。