人生というのは効率よく生きるだけが全てではない。
一つの目的に向かって情熱的に、全力疾走するのも素晴らしい生き方である。しかし、長い人生の中でガス欠になることもある。躓くこともある。逆風に晒されることもある。
そんな時には立ち止まることが必要である。そして自分自身と対話してみることが大切である。
人生にはゆっくり、一歩一歩進んでいく生き方もある。華々しさはないが、雨風の時も植物の様に動かずに耐えることができる。穏やかな生き方を目指すスローライフである。
どちらが幸福なのか。それは人それぞれである。しかし、今までの世の中の風潮はいかに効率よく生きることが出来るか過大な価値が置かれていた。効率偏重主義である。だか、生き方はその道だけではない。その生き方だけに価値があるとしてきた時代は終わりつつある。どの様な生き方に価値があるのかを決めるのは社会ではない、自分自身である。そのことにやっと時代が追いつき、理解がされてきた。
スローライフには燃え上がるような情熱や、輝かしい栄光は無い。その代り、自分らしく、ゆっくり、確実な生き方ができる。もちろん人生の中には危機や苦難がある。その場合においても、効率を求める人生よりも失うものは格段に少ない。多くを求めず、多くを持たないからこそ、失うものも少ない。
多くを獲得する者は、失う時の損失も大きい。それは名誉や地位や友情、努力、報酬、家庭なども含まれる。それは人生を破滅させるほどのダメージである。一握りの幸せに満足できる人は、足りるということを知っている。時に手の平から失うものがあったとしても、まだ手には幸せが残っている。多くを持っていないからこそ、失うものも少ない。破滅的なダメージからは免れる。
何が人生にとっての本当の幸せなのか、考えてみるのもいいだろう。多くのものを得ることが本当の幸せなのか。それとも一握りの幸せを大切にするのが本当の幸せなのか。