人生の中には悲しみがある。平穏で暮らしたいと願っていても、悲しみが訪れるのは避けられないことである。

悲しみという感情はとてつもなく大きなエネルギーである。悲しみの感情に押し流されてしまうと、悲しみに心が囚われてしまう。

誰も悲しみからは逃れられない。人間である限り、その感情を切り離すことは出来ない。大切なのは、悲しみに心が支配されないようにすることである。

一時的に悲しみが心に訪れるのは良い。しかし、悲しみに心が乗っ取られてはいけない。

悲しみは気力を失わせ、あれこれと思い悩みを運んでくる。そして、悲しみは他のネガティブな感情に変化していく。ネガティブな感情は心を老けさせ、活力を失わせる。

悲しみに囚われている時は、何を見ても、何を聞いても、喜びを感じない。悲しみは人生から色と味を失わせる。

悲しみが更なる悲しみを運んでくることもある。

悲しみから逃れるには、心を慰める優しい喜びが必要である。

心を喜ばせることは、気力と生気と活力をもたらす。心が快活であれば目に映るもの、耳に入るものの中から更に喜びを見出すことができる。喜びは人生に色彩と味覚を与えてくれる。

喜びと言っても、激しい喜び、大きな喜びは必要ではない。ほんのり心が温まるような小さな、優しい喜びで十分である。激しい喜びは深い悲しみと表裏一体である。

穏やかな心の喜びは生命であり、人生を豊かにしてくれる。