4.カルトの社会的影響

カルトが社会・家庭にもたらした事件・影響について考えていきたい。カルトが起こした事件の中で最大にして最悪の事件は間違いなく、「オウム真理教」による、1995年3月20日の地下鉄サリン事件である。地下鉄サリン事件は、当時戦後最大級の無差別殺人行為であり、1994年の松本サリン事件に続き、大都市で一般市民に対して化学兵器が使用された史上初のテロ事件として、全世界に衝撃を与えた。被害は、乗客や駅員ら12人が死亡し、5,510人が重軽傷を負った。現在もPTSDや重度の後遺症を負っている人が多数存在し、サリン事件の被害は今もまだ残っている。[i]

その他にもカルト事件で代表的なものは、「エホバの証人」の輸血拒否事件:交通事故にあった高校生が両親の未必の故意(輸血拒否)により殺害された事件、「統一協会」・「法の華三法行」の金銭収奪による一大詐欺事件、「ライフスペース」の修行と称したミイラ遺体事件:福島県の祈祷師宅で殺された六人の遺体が発見などがある。これらの事件は当事者間だけの問題ではなく、社会にも大きな影響を与えた。

また、カルトの被害は家族に対しても深刻である。カルトに入信すると信者は、生活が一変し、人格が変わってしまい、家族や社会と軋轢を生むのが通例である。家族は身内が変わってしまったことにショックを受け、説得するもマインドコントロールされた入信者には声届かいない。家族は入信者に対してコミュニケーション不能状態に陥り、家族関係に亀裂が入り大きなダメージを与える。場合によっては家族関係が崩壊することもある。

家族は身内を何とか元に戻すため信者を「脱会」させようと試みる。しかし、信者、及びカルト教団は信教の自由、拉致監禁だと言って激しく抵抗してくる。そして、最終的に、家族は自分たちだけの力では何もできないことを悟り、絶望するのである。

仮に信者を脱会させることができたとしても、カルト教団からの裁判がある確率は高いし、また信者と家族に対する精神的ケアも必要になってくる。まさに家族にとっては進むも地獄退くも地獄である。

このようなことが現実に起きているのである。また、カルトの影響は周辺社会にも多大な影響を与える。1990年波野村にオウム真理教が進出してきた。村民はオウムが村に居つくことに激しく反対した。最終的には、村がオウムの退村と引き換えに9億2000万の和解金を支払うことになった。また、長野県北佐久郡北御牧村(現・東御市)の住民運動も同様のことがあった。これらのことから、カルト教団が特定の地域に居座ろうとすると、住民はその集団を排除しようとする傾向が極端に強いことが分かる。これもまたカルトと社会の間の軋轢である。

[i]「地下鉄サリン事件 」Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E9%89%84%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6

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